おとなになりました。

mako@復活 エッセイ
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最高ランク : 20 , 更新: 2019/09/19 0:42:34

2019年7月某日の今日。

わたしが母のお腹というせまい世界から、手を引かれ足を引かれて腕に抱きとめられて、この広く青い星の空気を胸いっぱいに吸いこんだ日から20年がたった。

今日、わたしはハタチになる。


朝からごきげんななめだった空が、大学の最寄り駅についたとたん、我慢していたものが耐えきれなくなったかのように泣きだしてしまった。

耳元を走り抜けていく風もいつもより激しくて、傘をさすことだってむずかしい。


あぁ、朝から、一日のはじまりにしたら最悪なものだなぁなんてことを考えながらいつもの道を歩く。


足元は水撥ねでびしゃびしゃだし、履いていたサンダルだって水を含んでしまってぐっしょりしている。

あまり普段の行いが良いといえる方ではないしな、と苦笑しながらスマートフォンをちらりと見た。

もろもろのSNSの通知数はいつもとさして変わらないし、いつも通りおとなしくわたしの手のなかにちんまりと収まっている。

友達の数が少ないというわけではないんだけれど、仲が良いといえるような人はお世辞にも多いと言うことはできない。


まったく、わたしらしさがここぞとばかりに全面に出た誕生日である。


空はしあわせとめでたさのあまり泣き出してしまうし、風も耳元で大声でお祝いしてくれている。

傘なんて今にもわたしの手から離れて踊りだしてしまいそうだ。

いつもよりも気温は低くてとてもすごしやすい。

メッセージは通知の数こそ少ないが、そのひとつひとつがとてもあたたかくて、やさしくて、大切なものだった。


捉え方ひとつで、世界の色づき方はまったくちがうものに変わる。

こうやって柔軟な発想に転換することができるようになったこれは、まちがいなく成長の証のひとつなのだろう。


自分本位なんかじゃなくて、周りへの感謝を常に忘れない素敵な人間になりたい。

いまはまだ到底実現なんてできそうにないんだけれど、今日この日からまた少しずつ、自分の理想に近づくことができるように積み上げていきたい。

一歩ずつ、自分が信じたこの道を、足元を見つめながら、ときには上を見上げて休憩もしながら進んでいこう。


今日、わたしは大人になった。

(20190719)

Mako@きまぐれ


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