《年の差恋愛》 短編その②
あさひめ 短編集最高ランク : 27 , 更新:
「ん。」
ぶっきらぼうに差し出されたのは、寒さでほんのりとピンク色になった小さな手。その手の持ち主の顔も、マフラーで半分隠れてはいるが赤く染まっている。
彼女は髪の毛を低い位置で二つに結び、うさぎをモチーフにしたピン止めを付けている。マフラーとコート、そして靴は、同系色で統一してある。
極めつけは柔らかそうな唇につけた桃の香りのするリップ。
……たまったもんじゃないです。
「…かわいい。」
思わず出てしまった言葉。俺はサッと口を押える。
「何言ってんの、寒いんだから早くして。」
彼女は少し不機嫌になりながら、手をもっと前に出す。
「えっ、どどうしたの急に。」
我に返り、俺は慌てて聞いた。
どうやら、手袋を忘れた俺を見て、手を温めてあげようと思ったらしい。
…なるほど、それで手を差し出したのか。何とも優しい。今度彼女の好きなお菓子でも買ってあげよう。
と、俺は気付いてしまった。
(手を、繋げる………!?)
これはもう二度と来ないかもしれないチャンスだ。喜んで!!!!
「嫌なら別にいいよ?あたしが夫寒くなるだけだし。」
「いやいやお願いします!!!」
俺は土下座する勢いでお辞儀をする。
彼女は少し驚き、笑いながら俺の手を握る。
「今日だけだよ?」
繋いだ手の平の中で、2人の温もりは一つになる。
2,3秒ほど目を瞑り、その幸せを噛み締めて、彼女を見る。彼女も俺を見る。
今一番言いたい言葉は、
『好き!』
温もりと一緒に二人の声も重なった。
一瞬の静寂。そして笑い声。
俺も君も、思っていることは一緒なのか。そう考えると、不思議と笑みが零れてくる。
---明日も、また次の日も、幸せでいられますように!!---
俺の願い、いや。俺とキミの願いはきっと、届くだろう。
寒空に広がる、満天の星たちに。
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占ツクで小説作ったですん
*ホワイトマシュマロとフォンダンショコラ*《短編集》
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