書いてみたかっただけのお話

R18指定になってくるよ気を付けて。 カタツムリ
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最高ランク : 29 , 更新:

おめぱろのそらまふ、

子供がいる設定の子供目線のお話


1回でいいから書いてみたかった。

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注意

・BL,nmmnの作品です。

・歌い手様のお名前をお借りしています。

・ご本人様とは一切関係ありません。

・本作品はR-18指定となります。

・以上理解してお読みください。



・娘が見たパパとママのお話

・息子がパパを怒らせるお話

・ママがヒートで大変なお話

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『パパとママ』

「ねぇパパ、」

「ん、どしたの雪、」

私が呼びかけると、
しゃがんで目線を合わせてくれるパパ。

「ママは、男の人だけど、
すっごい綺麗で可愛いよね?」

「そうだね、ママは誰よりも綺麗で可愛いねぇ」

学校で、母親が男なんて可笑しいとからかわれて、
からかった男の子と喧嘩して、

先生に怒られて、親が呼び出されて、
きっと、パパにもすごく怒られると思ったのに、

なぜだかパパは怒らなかった。

それがむしろ怖くて、
パパが大好きなママの事を褒めたらいいかな、

っていう安直な考えで、そんな事を尋ねた。

それに返事を返すパパの顔は悲しそうで、
それでいて嬉しそうで、すごく優しくて、


その当時はただ強く印象に残っただけだったけれど、
今ならパパの気持ちがわかる気がした。

今でも珍しい、Ωの、男の母親。

そんなママと結婚したαのパパ。

自分たちのせいで、
私達に嫌な思いをさせてしまって、申し訳ない、

けれど、それを謝るとママのことを
否定するみたいで嫌だから、謝りはしない。

きっとパパもママも、いっぱい苦労したと思うから。

それをやっと分かるようになった頃、
中学校を卒業して、高校生になった春。



「ちょ、そらるさん、ネクタイちゃんと締めて!」

「んー、まふやってよ、」

「もう、そらるさんいくつですか!
ほら、雪も海も起きて!」

もともと高いママの声は、
叫ぶとよけいに高くて、

朝聞くとキンキンして仕方ないから、

変な目覚ましより
ずっと目覚ましの効果があると思う。

悪くいうとうるさい。

「おはようママ···あれ、パパ···?」

「おはよう雪、ほら海、起きろ、」

対照的にパパの声は低くて落ち着くから、
どちらかというと子守唄で、

小さい頃はよく眠る前に歌ってもらった記憶がある。

けど、よくよく考えると、
歌を仕事にしてるパパとママだから、

それを毎日のように聴けるなんて
贅沢だなあって、今なら思うけど。

「雪、ほら制服きて、そらるさんも行きますよ!」

「わかったって、朝から叫ばないの、
無駄に疲れるでしょ、」

ママは私に制服を渡して、
リビングで着替えておいで、という。

それに対して準備があるから、と返せば、
じゃあ海連れて行くから、と私に告げて、

パパの方を向いてネクタイを締めてあげていた。

ママが屈んでいるから、

必然的にパパの目の前に頭が来ていて、
それを見たパパは思い出したように呟いた。

「まふ、髪の色落とさなかったの?」

サラサラと、染めているわりに
絡まったりしていないママの髪を撫でると、

ママが少し嬉しそうに微笑む。

「いいじゃないですか、
これでも前より落ち着いてますよ」

「んー、まぁそれはそうなんだけど、
髪黒いと幼くなってかわいいじゃん。

まぁ今だってかわいいけど、」

「へ、?、!っ〜ばかぁ!!」

「ちょっとパパママ、
子供の前でいちゃつかないでよ、」

私の方が耐えられなくて、たまらず口を挟むと、
真っ赤な顔のまま、ママはパパと

起きたばかりでぼーっとしてる海を連れて、
子供部屋を出ていった。

本当に、どこの新婚さんなの、なんて考えながら、
渡された真新しい制服に着替える。

仲がいいというか、パパがマイペースすぎて、
ママがすごく初心だから、

初々しい、って表現が合うのかもしれないけれど。

親の仲が良いのは大いに結構で、
むしろ望んでいるくらいだけど、

朝からあれは切実にやめて欲しい。

糖度が高すぎる。

「雪ー?終わったー?」

「はーい、今行くー、」

パパと違って真っ直ぐで癖のない自分の髪を
高くポニーテールにして、

荷物を持って階段をかけ降りる。

多分パパとママは、私がどれだけ大人になって、
二人がどれだけ歳をとっても、

ずっとこのままなんだろう。

ずっと初々しくて、仲が良くて、

それからほんの少し、
私がそれを見ていたいと、

そう思ったから。

このままでいてほしいな、なんてね、



『大切だから』

ただちょっとだけ、イライラしていただけ。

自分でも分かってる。

思春期で、反抗期で、
親の介入がうざったいんだ。

言われなくても分かってる。

一人でもやれる、大丈夫。

そんな気持ちが渦巻いて、
ずっとモヤモヤして気持ちが悪い。


男同士なんて気持ち悪い。

クラスメイトにそんなことを言われてから
ずっとなんだか違和感があって仕方なかった。

母さんは綺麗だ。

男の人だけど、すごい綺麗で、
父さんの事を好きなんだってわかる。

分かるけど、だからこそイラだった。

はじめて夕飯を食べなかった。

父さんは友達との会食でいなかったから、
母さんに心配されただけだった。

「おなか、すいたな、」

ぽつり呟いて、立ち上がる。

イライラはまだ収まらなかった、

なんで、俺の母親は男なんだろう、
今まで考えたことはなかったけど、

確かに自分の友人達の母親は、
みんな女の人だ。

髪が長くて、小柄な、綺麗な女の人。

「あ、海、ご飯あっため直そうか?」

「いいよ、それくらい、自分でできる、」

「いいからいいから、海はパパに似てて
マイペースだしね、」

ほら、また介入してくる。

いくら父さんに似てても、
それくらい失敗しないし、出来る。

「ただいまー、」

そこへ、ふわふわとした低めの声が聞こえて、
父さんが帰ってきたんだとわかる。

お酒を飲んできたんだろうか、
どうにもふらふらしていて頼りない。

「そらるさん!おかえりなさい!」

父さんと母さんは、俺らに話しかける時は
お互いをパパ、ママ、と呼ぶけれど、

二人で話す時は、
そらるさん、まふまふ、と呼び合う。

どっちも不思議なあだ名で、
前に1度なんで?と聞いたことがあったけれど、

大事な名前だから、としか教えてもらえなかった。

「んー、ただいままふ、」

「え、ちょ!?」

ちゅ、と、父さんが母さんに、
自然な仕草で抱き寄せてキスをする。

やっぱり、父さん酔ってる。

しょうがない人だ、と、そんな感情と共に、
またふつふつ湧き上がる黒い感情。

「ねぇ、人前でキスなんてしないでよ、
男同士の見せられるの、複雑なんだけど」

あれ、なんでこんなこと言ってるんだ、

ただ少し咎めるつもりで言ったのに、
トゲのある言い方になってしまった。

「んー、なに、まふまふ、海は反抗期なの?」

「どうでしょう、思春期ですかねぇ、」

それを気にしてる様子も見せない二人に、
余計イライラして、頭をかいた。

怒っちゃダメだ、八つ当たりとか、ぜったい、

「そらるさんにもありました?反抗期、」

「どうだったかな、反抗する暇もなかったかも」

俺の態度にすら気づかないで、
平気な顔をして会話する。

「っ、クラスの人に言われたんだよ、
男同士とか気持ち悪いって、

せめて人前でやるのやめてよ、」

「いいじゃん、言いたいやつには言わせておけば。
俺らは俺らがやりたいようにやるんだから。」

言いたいやつには言わせておけば、って、
そんな無茶をいう。

それを直接言われるのは、俺なんだ、

「父さんたちが気にしなくても、
俺が言われて気になるんだよ、

少しは子供のことも考えてよ。」

「考えてるよ、俺は、
海のことも雪の事も大事だから。

でも、それと同じくらい、まふまふ、
ママのことも大事なの。」

平然と、いつもみたいにマイペースで、
いつもは落ち着くそれが、

今はどうしようもなくイラついて。

「そんなこといって、ほんとは、
母さんのことなんてそこまで思ってないんじゃないの?」

ピタリ、と、はじめて父さんが止まった。

母さんが、海?と咎めるように声を掛けてくるけど、
ここまで話した口が止まるはずがない。

「友達がいってたんだ、
Ωは社会的地位が低いから、

誰かが好き勝手襲っても問題ないんだって、

母さんのことだって、そうなんじゃないの?
母さんに乗せられて、そのままのノリで番になって、

多いんだってさ、そう言うの。
だから父さんも母さんも、仕方なく結婚し、」

ガンッと大きな音が響いて、
背中に衝撃が走る。

ぱりん、と何かが割れる音が響く。

胸元を抑えられてて、息が苦しかった。

そらるさん!?と母さんの
驚いたような声が聞こえて、状況を理解した。

胸ぐらを掴まれて、
机に押し付けられているんだろう。

ぱりん、というのは、
机にあったコップが割れた音だろうか。

けれど、それより、俺を抑えてるのが、
父さんだというのが、ずっと信じられなくて、驚いた。

「と、うさ、···」

ひどく冷たい目だった。

いつもマイペースで、ちょっと適当で、
本人曰く、長男だから、

面倒見が良くて、いざというとき、すごく頼れて、
でも、怒るところは見たことがない。

そんな父さんが、怒ってる。

「おまえ、いま、なんて言った?」

いつもより数段低い声に、
肩を震わせたのは母さんの方だ。

「そ、そらるさ、だめ、」

なんで母さんが泣きそうなんだ、と、
そんな冷静な自分がいる反面、

目の前の父さんを、
ひどく怖がっている自分もいる。

「なぁ、なんて言った、って聞いてんだよ
まふまふの事を、地位が低いとか、

襲われても問題ないとか、」

ぐっ、と胸ぐらをつかむ腕の力が強くなって、
息が苦しくなる。

それでも父さんは手を緩めなかった。

「俺も、まふまふも、ノリとか、
そんな軽いもんで、番になったんじゃない、

ふざけんなよ、

まふまふが、どんだけ辛かったと思ってんだよ、」

「ぇ、?」

「そらるさん、ねぇ!」

母さんが父さんを引っ張って、
父さんの手が俺から離れた。

いつの間にか姉さんも母さんの隣にいて、
泣いてる母さんをまて戸惑っていた。

泣いてる母さんをみた父さんは、
慌ててそれを慰める。

さっきみたいな、冷たい空気はもう無かった。

たまらなくなって、ダッと駆け出す。

目的地も計画もないけど、
なんとなく、そこから逃げ出したかった。

外に飛び出せば、冷たい空気が肌をさす。

それでも足は止まらなかった。



「はぁ、はっ、···ふぅ···」

どれくらい走ってきただろう。

距離的にはそんなに遠くなかった気がする。

ふと目に付いた公園に入って、
ベンチに座ってから少し冷静になった。

何してるんだ、俺は···

薄手だからひどく寒くて、
何をもってたっけ、とポケットに手を突っ込んでも、

当然何も入ってない。

外に出るつもりなんてなかったんだから、
当たり前といえば当たり前だろう。

せめて小銭くらいもっていれば、
と後悔してももう遅い。

かと言って、家に戻るのは嫌だし、
というより、帰れるかもわからない。

適当に走ってきただけだし。

「あれ、海くん?」

ふと誰かに声をかけられて
俯いていた顔を上げた。

この独特のハイトーンボイスは、

「天月、さん?」

「ほんとに海くんだ、どうしたの?こんな所まで、
というより、その格好寒くない?」

「あ、大丈夫、です、」

天月さんこそ、なんで?と聞いてみるけど、
彼はじっとこっちをみて、わかった、とつぶやく。

「さては喧嘩したな?落ち込み方からして、
そらるさんと?」

「え、」

なんでわかったんだ、この人エスパーか。

「海くん、まふくんと喧嘩した時は、
もっとこう、どう謝ろう···みたいな顔してるもん。」

「そう、ですか、」

そんな顔してるのかおれ···とちょっと感心して、
違う、そうじゃないと頭を振る。

天月さんは不思議な人だ。

なんというか、人を引き付ける、
主人公みたいな人だと思う。

それを前にも告げた時、やっぱり二人の子供だ〜と
笑われたのはもう古い記憶だ。

「体力作りのためにランニングしてたんだけどね、
休憩ついでに、ちょっと話そうか。

あったかいもの奢るからさ。何がいい?」

「え、じゃ、あ、ココアがいいです。」

せっかくだし、今回だけ、寒いし、
まだここに居たいし、

そう言えば、やっぱり似てるなぁ、と笑われた。

それに首をかしげてみても、
彼は答えてくれない。

大人しく諦めて奢ってもらうことにした。



「え、じゃあ海くん、
喧嘩したまま飛び出してきちゃったの?」

「ぅ、はい···なんか、雰囲気に耐えられなくて···」

「そっかぁ、んー、でも今回は
簡単に海くんの味方もできないんだよねぇ」

含みのある、ちょっと懐かしむような、
哀しそうな、そんな笑い方をした天月さんは、

素直に謝った方がいいよ、助言をくれるけれど、
どうにも納得出来ない。

なんで、みんなして母さんを庇うんだ。

「天月さん、ずっと、気になってたんですけど、」

「うん?どうしたの」

「みなさん、なんでそんな、
母さんを庇うというか、守るんですか?

父さんも、母さんが泣いてたりすると、
すぐにどうにかしてあげようとするし、

それだけじゃなくて、
父さんと母さんの友達とかも、こう、

母さんの事を配慮してるというか、」

ぽつりぽつり、感じたことを天月さんに伝えると、
そうだねぇ、と呟いて、ふっと真剣な顔をした。

「ほんとは、黙ってろ、って言われてるんだけどね、
そうだなぁ、海くんは、知った方がいいのかも、

まふくんの。過去のこと。」

でも、ぜったいに忘れないで、と
天月さんは続けた。

過去の出来事があるから、って、
それだけで僕達が、まふくんを大事にしてないこと、

まふくんが助けてくれたから、
友人だから、助けていること、

それにこくんと頷けば、
じゃいいよ、と微笑まれる。

再び前を向いて、天月さんが話しだそうとした時。

「いたー、!うみ!!!」

母さんに似た、でも母さんより地声から高い、
聞きなれた声は。

「ねえさん···?」

「もう、ほんと、よかったぁ、
あれ、天月さん!、海の事みててくれたんですね、

ありがとうございます、」

天月さんの方にお辞儀した姉さんは、
はら、海帰ろ、と上着を差し出してくる。

「雪ちゃんがお迎えにきたんだね、よかった、
まふくんは?大丈夫?」

「え、と?ママはちょっとパニックというか、
過呼吸みたいになってて、パパが隣についてます。」

姉さんがそう説明すると、
そっか、となんだかわかっていて、

でも落胆したように天月さんは笑った。

やっぱり、

「天月さん、やっぱり、母さんの過去、
教えてください、このまま帰っちゃ、」

「だめ、今日はもう帰った方がいいよ、」

きっぱり、そう断られて、
でも、となおも食い下がると、

そらるさん、と呟かれた。

「そらるさんに、直接聞いてみて?
たぶん、教えてくれるよ」

そういって笑うと、あ、そうだ、とポツリ。

「もしかしたら、それを聞いたら、
二人はまふくんにどんな顔をしていいか、

分からなくなるかもしれない。
でもね、ぜったい忘れないで。

君たちはそらるさんとまふくんの子供で、
すごくすごく、大切な存在だってこと。

それは二人にとってもだけど、
友人である僕達にとってもだよ。」

わかった?と、子供に言い聞かせるように、
じっと目を目を見つめられてそう言われて、

その真剣さに、
姉さんと二人して素直に頷いた。

「よし、わかったら今日は大人しく帰ること。
それで、ちゃんとそらるさんと、

まふくんにも、ちゃんと謝ること。

それじゃあ、僕も帰るから。ばいばい、」

そういうと、すごく綺麗な笑顔のままで、
天月さんは走っていった。

かえろうか、と姉さんが呟く。

それに声もなく頷いた。

父さん達に腹を立てていたはずなのに、
もうそれも忘れていた。

「なんだろ、すごい、お腹空いた···「」

「海が夕飯抜くからでしょ、
成長期のくせに」

「そういう姉さんは食べ過ぎ。
ダイエットするんじゃなかったの?」

「こいつはほんとに···
明日からやるからいいんですー」

馬鹿みたいな会話をして、
顔を見合わせて、おもわず吹き出した。

帰ったら、ちゃんと謝ろう。

それで、できたら、せいいっぱい、
ありがとう、って、いえたらいいな、

カタツムリ


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魔術師 藻さん»短編集的なあれなので
正確にはR18のお話も入りますよー、
ってことなんですがね笑
ありがとうございます、やる気出ます笑


カタツムリ
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