【完結】自己嫌悪【リメイク】

単発小説 リメイク作品 カタツムリ
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最高ランク : 20 , 更新: 2017/11/11 2:33:42

リメイク第一作品、自己嫌悪


「僕の存在価値は、
あなたが作ってくれるから」

注意

・BL、nmmnの作品です。

・歌い手様の名前をお借りしています

・ご本人様とは一切関係ありません。

・以上理解してお読みください。

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Sside

俺の恋人、まふまふは酷く繊細だ。

ストレスに弱くて、人に頼るのも下手で、
精神的にも肉体的にも強くはないけれど、

そうじゃなくて。

線が細くて、儚く、手を離したら
どこかへ消えてしまいそうで、時々無性に心配になる。

「う、うぅ···ごめ、なさ、···」

そう、今目の前で泣いてるのも、
その繊細さ故のこと。

朝から出かけて行った彼が、
お昼をすぎた頃に帰ってきて、

突然ソファーに座っていた俺の前に
ペタンと座りこんだ時は、正直本当に焦った。

具合でも悪いのかと思いきや、
次はとたんにぐずぐずと泣きだして。

そんな彼をあやしながら、
聞き出した内容はこう。

今日は朝からAfter the Rainとしての
仕事のオファーがあって、

でも俺には別の用事があったし、
片方が来てくれればいい、ということだったので

まふまふに任せて一人に行ってもらった。

しかし相手方との意見があわず、
上手いこと話し合いが進まない、

結局、お互いに思うところがあって
今回の件は破談となった。

と、それらを嗚咽を漏らしながら話し終えた彼は、
またわっと、泣き出してしまって今に至る。

「そあうさっ、···ぅ、···ごめ、」

その謝罪は、
仕事がなくなったことに対するものか、

はたまた泣いてしまったことに対してか。

恐らく両方だろうな、と考えながら、
未だ泣いているまふまふを抱きしめた。

「いいよ、俺怒ってないよ。
だから落ち着け、ほら、深呼吸して。」

ぽんぽん···とゆっくり背中を撫でてやりながら、
そう彼の耳に囁く。

呼吸が上手くできないのか、
苦しそうな表情を見て、ほら、

と促せば、ようやく落ち着いたようだった。

怒っていないのは本当のことだ。

そりゃあ、音楽を仕事とする人間としては、
その活動が認められる機会がなくなるのは悲しいと思う。

けれど、まふまふに無理させてまで、
仕事が欲しいとは思えなかった。

彼は、必要以上に我慢するところがあるから。

今回だって、俺が一言でも
この仕事をやりたい、と漏らしていれば、

彼は自分の意見を殺してまで話し合いを進めただろう。

だからこそ、まふまふに任せる、
という判断をしたのだ。

「ほら、落ち着いた?」

「ッぁ、はいっ、」

まだ微かに震えているものの、
だいぶ落ち着いたようでよかった。

以前のように過呼吸とか起こされると大変だ。

まふまふの体調もだけど、
主に俺のメンタルが。

「ほら、夜飯たべよ、」

わしゃわしゃ頭を撫でてやって、彼の手を引いた。

夕飯は暖かいシチューだから、
きっとまふまふも喜ぶと思う。

きっとその後交代で風呂に入って、
それぞれの部屋に戻って眠りにつくだろう。

それが俺たちのいつも通りの日常であって、
俺が一番望むものでもある。

だけど、時々、ほんとうは。

まふまふが、人に甘えるのが苦手なのも、
わかってはいるけど、でも。

「頼って、欲しいんだよ···」

たった一言、嫌だ、とか、辛いとか、無理だとか

ごめんなさいとか、謝罪じゃなくて、
そんな言葉が欲しかった。

言ってくれなきゃできないけれど、
言ってくれれば、守ってやれるから、

未然に防いでやれるから。

そんな気持ちをまとめて込めて、
ぽつりと、足音にかき消されるほど、

自分にも聞こえないくらい、
小さな声で呟いた。

[newpage]

Mside

「じゃあ、行ってくるね」

「はい!いってらっしゃい!」

自分の恋人を笑顔で送り出して、
そっと玄関の扉を閉めた。

僕らにしては朝も早く、まだ7時代。

そらるさんは用事で夜まで帰らない。

ライブのリハーサルとか、
打ち合わせだって言ってた。

「今日はひとり〜···」

いつも少し小うるさいくらいの
そらるさんが居ないんだから、

ちょっとだらけたって怒られやしないだろう。

今日はゆっくりしてもいいかもしれない。

そう思っていたけれど。

「っ、ご飯食べよう・・・」

いつも人の気配があるのに、
それがしない家は、ひどく寂しい感じがした。

いつも僕が休憩しだすと一緒にくる、
素足独特のぺたぺたという音が聞こえない。

僕がキッチンに立つと、
自然と手伝ってくれるその手がない。

変に溢れそうな気持ちをかき消す様に、
軽く頭を振って用意されたご飯に手をつけたけれど

なんだか味気なくて、
少し食べて手が止まってしまった。

ご飯、こんなに美味しくなかったっけ、
やだなぁ、たべなきゃ、心配かけちゃうのに。

体に悪いよ、と諭す声も、聞こえない。

ごめんなさい、と小さく呟いて残りをしまう。

「作業、終わらせちゃおうかな···」

別に急ぎの案件があった訳じゃなかったけど、
なんとなく気を紛らわせていたくて

パソコンへと向かった。



「ん、ぅ···?」

午後4時過ぎ、ふと目が覚めた。

作業をしていたはずなのに、
いつの間にか眠っていたらしい。

見れば、腕にキーボードのあとが付いてしまっている。

シャットダウンされたパソコン。

そういえば、眠くなって閉じた記憶が
あるような、ないような···

中途半端に寝たからか、変に体が重い。

ググっと伸びをして立ち上がる、
と、ふらりと目眩がしておもわずうずくまった。

貧血でも起こしたかな、
なんて思いながら今度はゆっくり立ち上がり、

キッチンで水を飲めば、
それが妙に美味しくて、ヒヤリとする。

そういえばこの部屋、さっきから少し熱い。

嫌な予感がして、体温計を手に取った。

脇にさして少しすると、
ピピピピッと電子音がして、

おそるおそる体温計をみれば。

「うそでしょぉ・・・」

38度4分。

久しぶりの高熱だった。

元々熱を出す頻度は、人より多いと思う。

緊張しても、安心しても、
忙しくても、暇な時でも、

特に理由が思い当たらなくても、
元々免疫力のない僕は、

些細なことですぐ風邪をひく。

環境が変わると、それだけのことがきっかけで、
一番に熱を出すのだ。

病は気から、とはよくいったもので、
確かに、自覚してしまえば余計辛かった。

くすり、飲まなきゃ、どこだっけ···

薬や冷えピタを探してみるものの、
見つからなくて、きつくなって、途中でやめた。

そういえば、ここに住み始めてからは、
そらるさんが看病してくれたっけ、

自分で薬棚なんて開けなかったからな、
場所くらい聞いておけばよかったな、

なんだか目頭があつくなって、
じわじわ目の前が霞んできた。

やだな、なんで僕泣いてるんだ。

そらるさんがいない、ただそれだけの事が、
こんなに堪えるなんて知らなかった。

熱を出したのだって、彼がいないという
不安とかストレスからかもしれない。

少しでも彼を感じていたくて、
彼の部屋のベッドに潜り込めば、

フワっと優しい、彼の匂いがして、
少しずつ眠気に襲われる。

「・・・ほんと、ぼくってだめだなぁ···」

そんなことを思いながら、
眠気に負けて、意識を手放した。

[newpage]

ふわふわと漂う意識が心地いい。

「・・・ふま・・・おい、・・・まふまふ、」

お願い、もう少し、もうちょっとだけ。

「まふまふ、起きて。」

優しく肩をゆすられて、
ぼんやりしたまま目を開けた。

「おはよう、」

目の前には、ずっと会いたかった人が居て、

「ぇ、ぁ、おはよ、ございます」

寝起きて混乱している僕をよそに、
そらるさんは僕のおでこに

ぺたっと冷たいものを貼り付ける。

あ、そうだ、ぼく、熱出しちゃって、それで、

「っ、あ、ごめ、なさい、
そらるさん、疲れてるのに···」

「はぁ、俺は大丈夫だから。
まずは自分の心配しろ、」

こつん、と軽く頭を突かれて、
そのままポンポン撫でられた。

その手つきは確かに優しいのに、
なぜだか今はその声が怖かった。

「ご飯は?食べたの?薬のんだ?」

「どっちも、まだ、です。」

「じゃあ持ってくるから。ここにいる?」

「いえ、自分の部屋にいきます・・・」

「ん。」

それだけ言うと、そらるさんは僕の頭を一撫でして、
そのまま部屋から出て言った。

なんでだろうか。

その背中が、何となく恐ろしくて、
僕を、見捨ててしまいそうな気がして。

そらるさんに迷惑をかけてる僕は最低で、

そらるさんを信じられない僕も最低で。

目頭が熱くなってくるのを感じた。

今日の僕、泣きすぎだ···

せめて泣かないように、
必死に涙をこらえて部屋に戻る。

少ししてそらるさんが部屋に来た。

僕が机に置かれたお粥に手を伸ばせば、
それに気付いて手渡してくれて、

素直に受け取って一口、口に入れる。

ほんとうに簡単な、一番メジャーなお粥の、
その味と温かさが心地よくて、

なんだかすごく安心した。

朝食べたのもそらるさんが作ったのに、
なんでかなぁ、この違い。

全部は食べれなくて、少し残したけれど、
そらるさんは責めることもなく、

ちゃんと飲めよ、と薬を渡してくれて、

飲んだら額の冷えピタを変えられ、
ゆっくりとベッドに寝かされる。

「ほら、おやすみ。」

そんな一言と一緒に、
その優しい手で目を覆われた。

「大丈夫、大丈夫、明日には、
ちゃんと良くなってるよ。」

暗闇は、嫌いだ。

何も見えなくて、
余計なことを考えてしまうから。

けど、この暗闇は、すごく温かくて、
柔らかくて、安心する。

僕は再び、眠りに落ちた。

[newpage]

Sside

まふを寝かしつけてから、飯食って
洗い物を済ませて、風呂に入って、

あとは寝るだけって状態で、

ベッドの上に横になって
思わずため息をついた。

まふが、熱を出したのに
連絡もしてくれなかったことが、少し、

いや、かなりショックだった。

「俺って、そんな頼りないかな···」

どうしても、そんな風に、
わるい方向に考えてしまう。

わかってるんだ。

まふまふは、
人に迷惑をかけることを嫌うから、

人に甘えるのが苦手だから。

過去の経験からか、
はたまた元からそういう性格なのか。

ちゃんと、わかってるんだ、けれど。

相棒としてもだけど、恋人として付き合ってたら、
頼って欲しいって思うのは当然のことで。

「っあー!ばかまふっ、迷惑かけんなっ」

変に隠されて、我慢される方が、
心配かけられるより迷惑だよ・・・

こんなんで涙を流すなんて、
我ながら情けないとは思う。

これを面と向かって言えたなら良いのに、
俺はそんなかっこいい人間ではない。

だから、気づかなかったんだ。

自室のドアが少し開いていた事にも、

小さく、物音がしていたことにも。

[newpage]

Mside

なんだか目が覚めてしまった午後10時過ぎ。

薬が効いたのか、もうそこまできつくもない。

喉が渇いて、
リビングへと向かっていた途中。

「・・・あー!ば・・・まふ・・・迷惑か・・・な」

そらるさんの部屋から聞こえた言葉に、
ビクリと肩を揺らし、固まった。

僕の名前、?

めい、わく?

他の部分は上手く聞こえなかったのに、
僕の耳は要らない部分だけ綺麗に拾う。

ポタッと手に水滴が落ちて、ハッとした。

早足で自室に戻り、
ベッドに座り込んだ。

ガタガタと震えていて、冷たい。

けど、あつい。

ぎゅう、と、力いっぱい自分の体を抱きしめる。

涙がポロポロと溢れて止まってくれない。

息の仕方がわからなくて苦しい。

首筋から背中へ、嫌な汗が伝う。

そらるさんに拒絶されることが、
こんなに恐ろしいなんて思わなかった。

そらるさんに嫌われるのが怖い。

そして、これ程までに、
そらるさんに依存している自分も怖い。

そらるさんに
迷惑をかけることしか出来なくて、

誰の助けにもなることはできなくて。

そんな思考が止まった、ボーッとした頭で、
机の引き出しに手を伸ばす。

引き出しの一番下、鍵がついていて、
普段は開けることのない場所。

そこを開けて、中から取り出したのは、
一本の、少しだけ錆びたカッター。

カチカチと刃を出して、それを手首に当てて、
それから、勢いよく引いた。

刃が真っ直ぐに皮膚を切り裂いて、
切れ目からツゥと赤い血が流れる。

僕はよく、リスナーさんにドMだ、
なんて言われているけど、

あながち間違いじゃないと思う。

だって僕は、この瞬間が好きだ。

確かな痛みと、流れる赤い血。

どちらも、心のよくわからない
痛みを掻き消して、

明確な“痛み”と“傷”として表してくれる。

そして何より、その“痛み”と血は、
確かに僕が生きていると、

ここに存在していると、
証明してくれるものだから。

痛みは頭をすうっと冷静にしてくれて、
流れる血が安心をくれた。

そらるさんと出会うまでは、
これをしょっちゅう使っていて、

おかげで、貧血のせいで
倒れそうな事も度々あった。

ほんとうに毎日の様に、
嫌なこととか、不安とか、全部かき消すように、

この行為が、1種の精神安定剤だったのだ。

けれど、そらるさんにあってからは、

もうこんなの要らないだろ、
って言われて、ずっとしまっていた。

その言葉通り、そらるさんはいつだって
僕が苦しいときは助けてくれたんだ。

あぁだめだ。

思い出したら、また泣いちゃう。

考えるのも、もうやめよう。

きっと、熱のせいで
おかしくなってるんだ。

眠ってしまえば、楽になるから。

そう思いはするけれど、
目を閉じれば、無駄に冴えてくる頭が邪魔して、

結局、朝方まで眠れることは無かった。

[newpage]

「んぅ・・・」

まだ[[rb:夢現 > ユメウツツ]]の中目を開けた。

目の前に広がるのはあか。

起き上がって、それが昨日流して
シーツに滲んだ自分の血だと理解する。

そう、昨日···

「っっ、」

そらるさんの、
途切れ途切れだった言葉を思い出して。

ずっと、眠っていられたら良いのに。

痛みも、苦しみも感じないで、ずっと。

それが出来たら、いったいどんなに楽だろう。

手首をみれば、
昨日の傷はかさぶたになって、

流れた血のあとが、
自分の肌でやけに目立っていた。

そしたら、昨日の痛みがほしくなって、
僕が生きている証明がほしくて。

また、カッターへと手を伸ばす。

そして、刃を皮膚に当てたときだった。

「まふー?おはよ、体調大じょ···
!?お前、なにしてんだよ!?」

部屋の中に入ってきたそらるさんに、
カッターを奪われる。

「まふ、手首見せろ」

とっさに隠した左手。

そらるさんの声は、低く、恐ろしく、
でも、腕をつかむ手は優しくて。

僕には、もうわかんない。

「・・・んで・・・し・・・い・・・・・・すか?」

「え?」

「っ、なんで、なんで
僕なんかの心配するんですか!?」

いきなり感情に任せて叫んだ僕を見て、
そらるさんは驚いた顔をする。

だけど、もう止まれない。

「僕、そらるさんにとって
迷惑じゃないんですか!?

だって、なんの役にもたてなくて、
面倒事ばっかり・・・っっ」

言葉に詰まった僕を見て、
そらるさんはギュッと僕を抱き締めた。

「ごめんまふ。もしかして、昨日の、聞いてた?」

「っ、、はい・・・」

この際だから、全部いってしまおうか。

そう思えば、口に出すのは簡単で。

「僕、そらるさんの、役にたてなくて···
お荷物にしか、ならないし、

だって、そらるさんはっ、
みんなに、必要と、されてて···」

「うん、」

「僕なんかが隣にいなくても、ちゃんと、
生きて、行けるし・・・、

だから、僕なんか、」

“僕なんか、いらないじゃないか”

その言葉を紡ぐことはできなかった。

僕の唇が、そらるさんの唇で塞がれる。

チュッ、と、音をたてて唇が離れると、
そらるさんはゆっくり口を開いた。

「・・・俺は、お前のことが好きだし、
とても大事だと思ってる」

「っえ?」

いきなりの告白に驚く僕をよそに、
そらるさんは続けた。

「だいたいお前は自己嫌悪しすぎなんだ。
お前は優しいし、気遣いだってできる、

なんでも、前向きに挑戦しようとする。

約束事はちゃんと守るし、
友達だって大事にする。

たまにどうしようもなくなっても、
それをちゃんと乗り越えてる。」

ポンポンとそらるさんから紡がれる、
そらるさんの思う、僕の良いところ。

子供をあやすように背中を撫でて、
ゆっくりゆっくり、僕に言い聞かせる。

僕はもう、涙が止まらなくて、
必死に嗚咽をこらえているだけだった。

「辛いんなら、ちゃんと言って、言葉にして、
ちゃんと、その度に助けてやるから。

その代わり、俺が辛いときは助けて。」

「っはい、」

「それから、楽しいことは一緒に笑おう。
悲しいことは一緒に泣こう、

一緒に旅行にもいって、ラジオも録って、
これからも一緒に、ずっと歌おう。」

心做しか、そらるさんの声が震えていて。

「俺は、お前を必要としてる、

リスナーさんだって、
まふまふの歌を楽しみにしてくれてる。」

「ぅ、ん・・・」

そらるさんの言葉が、
じんわりと心に染みて行く感覚。

「だから、ちゃんと頼れ、
俺は、それを迷惑だと思わないから。

変に隠される方が、よっぽど心配で、
よっぽど、迷惑だよっ・・・」

「はいっ、ごめ、なさ、い」

二人して、バカみたいに、
子供みたい声をあげて泣いて。

でも、ふしぎとその涙は嫌ではなくて、

むしろ、心のつっかえが、
全部流されていく気がした。

[newpage]

ふんわり香る大好きな匂いと、
大好きな温もりに包まれる感覚。

あったかくて、心地いい···

パチッと目を開くと、
目の前が真っ暗で、少ししてから、

そらるさんに抱き締められてるんだと分かった。

「そらるさんっ、起きてください」

まだ寝ているそらるさんに声をかけると、
んー?と寝ぼけた返事。

構わずぽんぽん胸板を叩いていると、
うーとかあーとか唸られた。

相変わらず色気が凄まじいですね。

「んぅ、おはよー···いまなんじー···」

「おはようございますっ!
もうお昼じゃないですか?」

「そっかぁ···」

まだ半分寝てるようなそらるさんは、
起き上がってカーテンを開ける。

それから、あ、と思い出したようにこっちを見た。

「そう言えば熱、下がった?」

「あ、忘れてました・・・
でも、体調は良いですよ?」

そう返事を返せば、そらるさんが近づいて来て、
コツンと額をくっ付けられ数秒。

ついでとばかりにチュッと唇に
柔らかくキスされて、

大丈夫そうだな、なんて笑われる。

「へ、···え?」

一瞬ポカンとして、
そのあと顔が一気に熱くなるのを感じた。

ほんとに、不意打ちとかやめて欲しい、
お願いだから。

僕の心臓が先にダメになるから。

「もぅ、ぅー、」

「あーおなかすいたー、」

言葉が出ない僕を華麗にスルーして、
そらるさんは話をそらす。

その言葉に時計をみればもう11:30。

「ほら、昼飯食うぞ、」

そういって僕の手を引くそらるさん。

ぎゅっとその手を握り返せば、
その手から伝わる熱は温かくて、

きっと、もう大丈夫だと、
僕を安心させてくれる。

そらるさんの隣にいれば、僕の存在価値は
そらるさんが作ってくれる。

その代わりに、僕は、そらるさんの隣で、
そらるさんを、支えて見せるから。

グウゥゥゥ、とお腹が音をたてる。

お昼ご飯はなんだろう?



*fin*


へーい!リメイクおわりました!!

カタツムリ


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し ん どい

音花@まふらー兼ちょろわー
2017/10/11 22:27:54 違反報告 リンク


おとちゃん»え?wwww
新しい感想ですねwwww


カタツムリ
2017/10/12 4:09:48 違反報告 リンク


どといの間に空白入れ忘れたぁぁぁぁ(そこ)

音花@まふらー兼ちょろわー
2017/10/13 0:41:39 違反報告 リンク


おとちゃん»そっち!?w

カタツムリ
2017/10/13 2:43:02 違反報告 リンク


そっちw

音花@まふらー兼ちょろわー
2017/10/26 0:33:39 違反報告 リンク


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【完結】Love bonbon
2018/05/31 7:20:57 カタツムリ

時間軸的にも意味的にも遅刻です(ごめんなさい) 今回はちゃんとそらまふ。 ...


ユキモモ初納
2018/03/11 4:29:56 カタツムリ

「ねぇモモ、僕のどこか好き?」 「え」 お気に入りのワインをものすごく絵...


【完結】その温もりを来年も
2018/05/31 7:22:31 カタツムリ 1

お正月、初詣に行くそらまふのお話。 実際はLIVEをされていたので 事実捏造...



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