Dependence

単発小説 カタツムリ
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注意

・BL,nmmnの作品です。

・歌い手様のお名前をお借りしています。

・ご本人様とは一切関係ありません。

・以上理解してお読みください。

ーーーーーーーーーーー


昔から、愛されたい願望は強かった。

誰かに依存して依存して、
その相手をころころと変えては、

毎回毎回、自分の方が飽きてしまう。

大好きだから依存したはずなのに、
そのうちに一方的に依存することに疲れて、

相手の悪い所が目に付いてきて、
あんなに好きだったはずなのに、

いつのまにか距離を置いてしまう。

今考えれば、それは好きだったわけでも
依存していた訳でもなく、

ただ一人になりたくなくて、
相手に縋っていただけかもしれない。


「···ふ、ま···まふ、···ふ、···まふまふ、」

「ん、ぅ···?」

誰かが呼ぶ声がして、
肩を揺すられて目が覚めた。

「そらるさん···?おはよーご、ざいます···」

「ん、おはよ、って言っても今夜だけどな。
大丈夫か?作業中に寝るなんて珍しいじゃん。」

「え、···あ、作業、」

「大丈夫そうだったから
保存してシャットダウンした。」

ハッと画面を見れば、
確かに電源が切れている。

そっか、僕、作業中に寝ちゃったのか···

座ったまま寝てたせいなのか、
身体中が変に凝っている感じがして、

ぐぐっと伸びをすれば、
そらるさんが頭を撫でてくれた。

頭がスーッと覚めていく。

そらるさんは、今の僕の依存相手だ。

初めは憧れの人、それから友人、
相棒になった頃から依存した。

あからさまに独占欲をさらけ出して、
遠回しに愛してってそう告げて、

あぁ、あの頃のツイートは酷かったな、

と思い出して苦笑した。

それから、1年前くらい、
両国でのライブをやった辺りから、

僕らは恋人になった。

依存しているのだと、きちんと彼には伝えた。

僕の気持ちはなんなのか、
依存しているからと言って、

そらるさんに向ける好き、の感情が、
Loveだとは限らない。

実際、僕にはそれがよくわからなかった。

彼のことは、依存するくらい好き。

だけど、その感情は、likeか、loveか。

頼る相手が欲しかっただけかもしれない。

分からなくていいと、彼は言った。

手を繋いで、抱きしめて、キスをして、
それ以上だってやったし、

でも不思議とそれを嫌だとは思わなくて、
むしろ、全部が嬉しかった。

そらるさんは恋人になると決めたとき、
他に相手ができたら、別れていいよ、

俺のこと好きじゃないと思ったら、
別れていいよ、とそう告げたけれど、

正直僕には、
そんな日が来るようには思えなかった。

今までは一方的に依存して、
縋っていたから飽きてしまった。

けれど、そらるさんは僕に愛をくれた。

そらるさんも、僕に依存してくれた。

だから、彼から離れたいと思うことなんて、
これから先も無いように思う。

座ったまま顔をあげて彼を見る。

「そらるさん、」

「ん?なあに?」

僕が話しかければ、答えてくれる。

「好きです、」

「なに、突然、俺も好きだよ、」

愛を渡せば、応えてくれて、返してくれる。

「そらるさん、キスして···?」

猫なで声で甘えて、
くるりとイスを回転させて、

「ん、」

そしたらすぐに唇が重なる。

「ふ、···ん···」

僕がそらるさんの服の裾を握れば、それが合図で。

舌が絡まって、スルスルと上顎を撫でたり、
軽く舌を引っ張られたり。

あぁ、気持ちいい···

絡まる舌先まで優しくて、
頬に触れる手が愛おしくて。

「ん、ぅ···はぁっ···」

少しした唇が話されると、
その間を銀色の糸が引いていた。

そらるさんが僕の唇をペロリとひと舐めして、
今度こそ体が離れていく。

それがどうにも寂しくて、
たまらず僕から抱きついた。

「おっ、と、どうしたの、
今日はずいぶん甘えただね?」

「べつに、そういうわけじゃ、」

あなたに依存して甘えているのは、
べつに今日だけではない。

けれど、あなたにそれを伝えたら、
なんて言われるだろうか。

時々、無性に不安にあることがあった。

彼の背中に回した手に力を込めて、
肩口に顔を埋める。

彼の、柔軟剤やシャンプー、ボディーソープ、
何を一緒にしても、同じにならなかった、

彼だけの匂いがふわりと香った。

きっと、世界で1番、僕が知ってる匂い。

とても安心して、落ち着く匂い。

「かわいいねぇ、」

ぽんぽんと、頭を撫でる仕草や、
かけられる声は子供を宥めるようで、

でも触れる手は優しくて、
ちゃんと愛されていると感じられて好きだった。

「ほら、ご飯食べよ、」

あ、はなれてっちゃう···

彼への依存症は、もう治すことを諦めた。

きっと、どう頑張っても、
治ることはない気がした。

そらるさんが僕から離れるまで、
いや、離れていっても依存しているかもしれない。

「はぁ、」

ふと耳に入ったため息に、
条件反射で肩がはねた。

そういえば彼に呼ばれていた、
返事しなかったから、怒っただろうか、

「へあっ!?」

そっと顔色を伺おうとすれば、
とつぜんふにゅ、と優しくほっぺをつつまれて

思わず間抜けな声がでた。

「なんでふかぁそあうさん、
しゃべりふらいでふ、」

「お前って、ホントわかりやすいな」

うまく話せない僕を見て
ケラケラ笑ったかとおもえば、

とつぜんそんなことをいわれて、
頭上にクエスチョンマークが浮かんだ。

「いつも我慢してるんだろうけどさ、
わかりやすいよ?特に目とか。」

いつの間にか手は離れて、
すっと右目を覆う。

「目の色は変わるし、視線さ迷ってたりするし、」

またもう片方の手が左も覆って、
視界は必然的に暗くなる。

不思議と怖くはなかった。

暗闇は嫌いなのに、なんでだろう。

「···依存してるのは、お前だけじゃないよ」

目は塞がれたまま、
急に声が近くで聞こえて、

直後、ちゅ、とリップ音がなった。

「え、ぇ?」

「たぶん、1人で病んでるとき、
なんか抱えてる時、

まふまふも俺も、視界はこれくらい。」

「え、あ、はい?」

意図がよく分からなくて
すでに混乱している僕をよそに、

そらるさんはそう続けた。

視野が狭いっていいたいのだろうか、

確かに、一人で悩む時は、
抜け出せない闇の中にいるような感覚だから

あながち間違ってないけど。

そらるさんもそうなのかな、

「けど、俺ら二人で見た時、」

手が離されて、視界が明るくなって、
その眩しさに思わず目を細めた。

「きっと、これくらい広くて、
明るくなる。少なくとも、俺はそう。」

「···僕には、ちょっと眩しすぎます···」

思わずそう呟いた。

もしもさっきの暗闇が僕の世界で、
これが僕らの世界なら、

僕は暗闇でいいかな、なんて。

心地よかったし、怖くもなかった。

けど、それもお見通しだと言いたげに、
そらるさんは苦笑する。

「それは、俺がいるから怖くない、だろ?」

「それは···」

確かに、あれはそらるさんがいたから
怖くなかったし、安心したけれど、

一人でなら、どうだろう

頼る人がいなくて、ずっと暗くて、
不安で、悲しくて。

「···こわい、ですね···」

「だろ?なら、二人で最初から、
せめて暗くない場所にいようぜ。」

暗闇じゃなかったら、影でもいいからと。

ポンポンと頭を撫でられて、
言葉が再び紡がれる。

「おれだって、暗いところはいやだよ。
だから、まふまふをそこに置いとくのもやだ、

お前が俺に依存してるように、
俺だってお前に依存してる。

だから、いっそ二人でずっと隣にいよう。
そうすりゃ、なんも怖くないだろ。」

そういうと、そらるさんはじっと
ぼくの目を見つめる。

そらるさんの人と目を合わせるクセ、
最初はとても苦手だったのに、

今では安心してるから不思議だ。

僕は依存したら、縋り付くだけなのに、
そらるさんは強い人だ。

依存した相手ごと、暗闇から
引っ張り出そうとしているのだから。

もしかしたら、僕をのための嘘、
気休め、かもしれないけど。

ほんとは、依存なんて
されてないのかもしれないけど。

「言いましたね?やくそく、ですよ、」

ずっと二人でいてくれるんですね?


一人にならなければ、

いや、違うや。

そらるさんの隣にいられれば、

どこまでおちても、それでも構わないや。

「当たり前。死ぬときまで、いっしょ。」

彼に溺れて、溺れて···

息もできなくなって、いっそ彼を取り込んで。

それくらいまで、隣に居られたら。

「きっとそれは、しあわせ···」


狂っていていい、ほかの人には、
分からないかもしれないけれど。

これはきっとしあわせだ。

満たされて、ふわふわして、

「ほら、いい加減飯行くぞ、」

「はーい、」

素直に従って彼から離れた。

ずっとどこかしらに触れていた服の裾は、
ちょっとだけ彼の匂い。


おちるところまで付き合おう。

お互いを溺れさせた罪滅ぼしにでも。

しあわせに包んで、取り込んであげよう。

どこまでも一緒に、居られるように、

ーーーーーーーーーーー
ひええ、なんか初期設定と違う方向に···

まぁいいでしょう、テンション大事です。

にしても短いですかね?

短編集にぽいしますか。

長々とかいても仕方が無いので終わります。

閲覧ありがとうございました。

カタツムリ


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