【完結】キミアレルギー【後編】

キミアレルギー カタツムリ
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:809 hit

最高ランク : 22 , 更新: 2017/07/07 17:57:33

頑張ってかきます。

前編はpixivのお友だちが担当。

ネタ提案者は私、

難しそうなネタに挑戦しますよ、

あーるじゅうはちは消えました←

ごめんなさいって許して!?

ちょっとまってね



僕はきっとキミアレルギー。
だって君に触ると、おかしくなるんだ。

・BL、nmmnの作品にです。

・歌い手様のお名前をお借りしています。

・ご本人様とは一切関係ありません。

・本作品のアレルギーという表現は
あくまで創作の中でのものです。

・以上理解してお読みください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Mside

こくり、こくり…

頭がぼんやりしてる。

まぶたが、閉じちゃいそう、
そらるさん、まだ戻ってきてないのに。

なんでこんなに眠いんだろう・・・

ガチャ

部屋のドアがあいて、
そらるさんが顔を覗かせる。

「まふまふ?大丈夫?」

「ん・・・平気、です・・・」

あぁまただ。

あなたが近くにいると、
鼓動が早くなるんだ。

胸が、掴まれたみたいに苦しいんだ。

触れたところはあつくって、

ほら、まるで、アレルギーみたいな。

「まふまふー?」

僕がおかしな思考を繰り広げていると、

そらるさんが顔を覗き込んできた。

顔が一気に熱を持つ。

そんな僕を察してか、
そらるさんはスッと引っ込んでくれた。

「ほらまふ、お粥食べよう?
俺もお腹すいた。」

そらるさんが差し出したスプーンには、
温められた美味しそうなお粥。

パクリと一口。

「おい、しい・・・」

途端に空腹が襲ってきて、
渡されたスプーンでお粥を食べ進める。

ご飯って、こんなに
美味しかったんだなぁ、って。

ポタリと床にしずくが落ちる。

ポタポタと、それは
とどまることを知らない。

溢れて止まらない、僕の涙。

えぐえぐと嗚咽をこぼしながら、
一生懸命お粥を口に運んだ。

そらるさんに、伝わんない。

この、僕の苦しさも、気持ちも。

そらるさんの気持ちだって、
信じられない。

すき、って言われても、
また裏切られるんじゃないかって。

嫌われるときが怖いな、って。

でも、そんなこと全部忘れられるくらい、
このお粥は美味しかった。

きっと、そらるさんが、僕のために、
一生懸命作ってくれたんだってわかって。

「ごちそ、さま、でしたっ・・・」

全部食べきったら、
そらるさんが優しく頭を撫でてくれる。

触れた部分はもちろんあつくなるし、
心だってくるしい、けれど。



なんで、こんなに、“嬉しい”の?

「水、持ってくるから。」

優しく微笑んだそらるさんは、
空になったお皿を持って、

また部屋を出ていった。

途端にまた眠くなる。

ぼやっとした意識でグルグル考える。

なんで?

なんで、こんなに苦しくなるの?

なんで、こんなにあつくなるの?

なんで、こんなにうれしい、の?

なんで、こんなに、


そらるさんのそばにいたいって、
そう、思ってしまうんだろう?

ホントに僕は、この気持ちを知らないの?

意味のない自問自答。

だって、僕はきっと、答えを知ってる。

きっと、これは、多分。



「恋、って、気持ちだ・・・」

もう、ずっと前から答えは出ていたのに。



誰かを好きになること、

どこか他人事のように考えていて、
それでいて、認めたくなかった。

彼とは、綺麗な関係でいたかった。

僕のせいで、彼を汚したくなかった。

きっと、叶わない恋じゃない。

彼は、僕のこと、
好きだって言ってくれる。

僕だって彼のこと、
どうしようもなく好きなんだろう。

だから、触れられたらあつくなるし、

目が合えば胸が苦しくなるし、

それくらい、彼のことが好き。

でも。

男同士、だから。

世間一般的には、
あまりよく思われなくて。

避けられて、さげすまれて。

きっと、好奇の目を向けられる。

彼は綺麗で、素敵な人だから。

僕みたいなのとは違うから。

望めば素敵な人生を歩める。

みんなから羨ましがられるような、
素敵な人生を。

僕は、それをみていて、
仕事の相棒で、友達としていられたら、

きっと、それが
一番いいはずだったのに。

だから、必死に、
気付かないようにしてたのに。

もう。むりだよ・・・

「す、き、すき、好きです、
そらるさん、誰よりも、あなたが・・・」

一人の部屋に響く嗚咽。

それから少しの間、僕はしばらく泣き続けた。



そらるside

「はぁ···」

まふまふの部屋から出て、ひとつ、
小さくため息をついた。

あいつの、まふまふの泣き顔が、
ずっと頭から離れない。

苦しくて、辛くて、不安で、
すぐそこに逃げ道はあるのに、そこに行けない、

そんな、悲しそうな表情が。

あいつが抱えてる苦しみなんて、
全部俺が取り払ってやりたい。

けれど、多分それを言ってしまうと、
俺もその原因のひとつなんだと思う。

もう長い間隣にいるけど、「すき」って言葉一つが、
こんなにアイツを苦しめるなんて。

全く考えていなかった。

それどころか、簡単に返事を貰えると思ってたのに。

あいつの事だから、どうせ無駄な部分にまで
考えを張り巡らせているんだろう。

それこそ、自分に好きになる資格があるのか、とか、
俺の人生を壊してしまうんじゃないか、とか。

そんな心配、必要ないのにね。

「あんな顔させたかった訳じゃないんだけどな···」

ただ、前みたいに当たり前に隣にいて、
当たり前のように会話して、

当たり前のようにご飯食べて、
当たり前のように笑いあって。

その当たり前な日常の中に、
恋人同士、という、特別な関係があったら、と

そう考えて、伝えただけだったのだ。

それを、どう間違ってしまったのか、
はたまた、どこから狂ってしまったのか。

まふまふは俺を避けるようになってしまったし、
俺から接触するのも難しくなってしまった。

待つ、とは言ったものの、
やはり避けられるのは悲しいものだ。

「···はやく、もどろう···」

お粥を入れていた皿をあらって
早足で部屋へと戻った。

一応ノックはしてみるけど、
返事はなかったのでそのままドアを開ける。

中を覗けば、机に突っ伏して眠っているまふまふ。

机に残る真新しい涙のあとに一瞬焦るが、
穏やかな寝顔をみて起こすのはやめた。

いつぶりだろうか。

少し微笑んだ、穏やかな表情を見るのは。

まふまふの隣に座ってその寝顔を眺めていれば、
俺も自然と欠伸がもれた。

そういえば、俺もしばらくまともに寝てないんだった···

少しなら、いいか···

そんなことを思いながら、
俺も夢の中に落ちていった。



さわさわ···

ふわふわとした意識の中で、
誰かに髪を撫でられている気がした。

目を開けば、ぼやける視界に映るのは、
立ち上がって俺の頭を撫でているまふまふ。

けれど、すぐに手を引っ込めてしまった。

あぁ、これは、夢か···

夢の中でまふまふに撫でられるとか、
俺どんだけまふまふに触れたいんだよ···

あまりにも馬鹿らしくて、
そして、切なくって、苦笑しながら、

鼻がつーんとした。

「なぁまふまふ、待つって言ったけどさぁ···
やっぱ、待ってばっかりじゃあ切ないよ···」

夢の中でくらい、許されるだろう···

現実でアイツに言ってしまえば、
きっとまた罪悪感とか、申し訳なさとか、

そういうものを背負ってしまうから。

そう、思ったのに。

「···ごめんなさい、そらるさん···」

「ぇ···」

来るはずのない返事が帰ってきて、
意識がハッと覚醒した。

顔を勢いよく上げた時、
ぽたりと落ちたのは、俺の涙か。

え、は、まさか···

「ま、ふ、···?」

しまった。

最初に思ったのはそれだった。

よく考えれば、夢の中で痛みとか感じるわけない、

ましてや、涙なんて流れるはずがないのに。

「ごめんなさい、あの···」

言葉を濁すまふまふを見て、
俺にも罪悪感がわく。

「、いいよ、俺なら平気だから。
だから、そんな、泣きそうな顔するな···」

せいいっぱい笑ってみせるけど、
寝起きの脳はきちんと働いてはくれなくて。

おそらく、無理した笑い方でもしていたんだろう。

まふまふが俯いて、
床にポタリと雫が落ちた。

「まふまふ···」

本当は良くないと、

やめた方がいいと、頭では分かっているけれど。

体の方が先に動いて、
ぎゅっと、まふまふを抱きしめていた。

「ちょ、そらるさっ···」

顔を赤くしてじたばたとじたばたと暴れるまふまふ。

久しぶりに感じたその温もりに、
我慢が出来ずに涙が零れた。

「え、そらる、さん、···?なんで···」

「黙って、」

なんで泣いてるのか、
そう聞こうとしたであろうまふまふを遮って、

抱きしめる力を強めた。

もう諦めたのか、
はたまた俺が珍しく泣いているから冷静になったのか、

まふまふはもう暴れるのをやめた。

それをいいことに、
俺はそのまま話し続ける。

「ねぇ、まふまふ。
悪いと、そう思うなら、俺と話そう?」

抱きしめたままで問かければ、
はい···、と掠れた返事が返ってきたので、

そのまま手を引いて、リビングへと向かった。


Mside

目を開けて最初に飛び込んだのは、
隣で寝ているそらるさんだった。

思わず勢いよく立ち上がってしまったけど、
幸いそらるさんは起きなかったようだ。

そらるさんが人前で寝るなんて珍しい。

そんなことを思いながら、
久しぶりにまじまじと相棒の顔を眺めた。

僕とは違う、綺麗な柔らかい黒髪、
奥二重の閉じられた瞳、

本当に白くて綺麗な肌。

例えるなら、まさしく白雪姫のような。

自分でもよく分からないけれど、
そらるさんの寝顔を眺めていたら

なんでか自然に手が伸びていた。

そらるさんの柔らかい髪に手が触れて、
一気に手先から熱くなってくる。

けれど、久しぶりの、
もしかしたら、髪に触れることなんて滅多にないから、

初めてかもしれない、
そのふわふわとした感覚は、

想像よりも心地好くて、
不思議と触っていたいと、そう思った。

けれど。

ぴくりと、彼が動いた気がして
慌てて手を引っ込めた。

寝ぼけているのだろうか、

彼は少しだけ顔を上げると、
焦点の合わない目で僕を見た。

そらるさん?

そう聞こうとしたけれど、
思わず声を詰まらせる。

寝起きだからかもしれない、
見間違いかもしれないけれど、

そらるさんが、泣いている気がした。

正確には、目が潤んでいるって、
それだけの話なんだけれど。

「なぁまふまふ、待つって言ったけどさぁ···
やっぱ、待ってばっかりじゃあ切ないよ···」

その言葉で、確信した。

きっと泣いてるんだ···

長男だからか、いつも我慢強くて、
包容力があって、

だけど、彼だって人間だから。

つらい、とか、悲しいって感情は、
当たり前にあるはずなんだ。

「···ごめんなさい、そらるさん···」

「ぇ···」

夢の中だと、そう思っていたのだろうか。

寝ぼけていたのだろうか。

それとも、僕には聞こえていないと思ったのだろうか。

彼は、僕が謝った時、
心底驚いたように、ハッと顔をあげた。

そのときにキラリとひとつ光ったのは、
きっと紛れもない彼の涙だろう。

「ま、ふ、···?」

後悔したと、しまったと、
そんな表情だった。

「ごめんなさい、あの···」

僕が言葉を濁せば、
彼はまた申し訳なさそうな表情をする。

「、いいよ、俺なら平気だから。
だから、そんな、泣きそうな顔するな···」

彼の中では、せいいっぱい笑ったつもりだったのだろう。

けれど、それはお世辞にも、上手な笑い方じゃなくて。

苦しそうで、明らかに無理をしていて。

泣きそうなのが見えないように下を向いたけど、
そのせいで涙がおちてしまった。

「まふまふ···」

今度はそらるさんが言葉を詰まらせた。

そして刹那。

ふわり、と、懐かしい匂いと、
温もりに包まれた。

「ちょ、そらるさっ···」

そらるさんに、抱きしめられた。

それだけで、頭が一気に真っ白になる。

けれど、肩に落ちる熱を持った雫に、
一気に意識を奪われた。

きっとこれは、そらるさんの涙。

ぽたぽたと留まることを知らないそれは、
僕の肩を濡らしていった。

「え、そらる、さん、···?なんで···」

「黙って、」

なんで泣いてるんですか、
そう聞こうと思ったけれど遮られてしまって、

抱きしめる力が強くなった。

そらるさんが、泣いている。

滅多にない事態に、
僕の頭も冷静になる。

彼も冷静になるまで、
すこし待つべきだろう。

そんな僕をどう捉えたのか、
そらるさんは話を続けた。

「ねぇ、まふまふ。
悪いと、そう思うなら、俺と話そう?」

涙声で、懇願するように、縋るように、
そらるさんは、僕にそういった。

僕の声が掠れてしまったのは、緊張からか、
それともまた別の、苦しいと、そういう感情からか。

そんなことを思いながら、
僕はそらるさんに引っ張られるまま、

リビングへと向かった。


side

とりあえず飲み物ね、

そういったそらるさんは、僕の前にアイスココアを、
そして、自分の前にアイスコーヒーを置いて、

ふぅ、とひとつ深呼吸をした。

話すって言ったって、何を話すんだろう···

そう考えていたのだけど、
その沈黙を破ったのはそらるさんの方だった。

「ねぇ、まふまふ···
俺、お前のこと、ほんとに好きだよ?

世界で1番、何者にも代え難いと、
そう思うくらいに、愛してるよ。」

僕の方を見て、真っ直ぐに。

その瞳の綺麗さに、
泣きそうになるのをぐっとこらえる。

その瞳に、彼の綺麗さに、
流されてしまわないように。

ここで僕がイエスと、そう返事を返してしまえば、
きっともう、戻れない。


それでも、やっぱり彼には勝てなくて。

「お前の気持ち、全部聞かせてよ。
我慢なんかしないで、全部全部。」

優しく微笑んでそう言われてしまえば、
僕にはもう逃げる術がない。

心の内側を、全部全部、話してしまうしかないのだ。

「ぼく、だって···僕だって、そらるさんのこと、
大好きですよ。そりゃ、そうでしょう···

いつも優しくて、あったかくて、
助けてくれて、そんな素敵な人、僕、

そらるさんしか、知りませんもん···
好きにならないとか、むり、でしょ···」

ぽろぽろと溢れる涙は、何が原因だろう。

悲しみか、後悔か、
それとも、喜び、だっただろうか。

やっと言えたという、
そんな、スッキリとした、喜び、だっただろうか。

「まふまふ···」

そらるさんが、複雑そうな表情をして手を伸ばしてきた。

それに反射的に身構えたけれど、
前のように、拒絶反応というか、

そういうものはなくなった。

そらるさんの手が僕の頬に触れる。

それから彼は、ゆっくりと口を開いた。

「ほんとに、それだけ···?」

「ぇ?」

予想外の言葉に、思わず、え?と聞き返す。

彼の瞳は、相変わらず綺麗だった。

「ほんとに、言いたい事、思ってること、それだけ?
俺から逃げた理由も、考えてることも、ほんとに···」

「やめて···」

そらるさんが、目を見開く。

僕の口からでたのは、明らかな拒絶だった。

「もう、これ以上。
ぼくのこと、あばかないで···

汚いとこなんて、みないで···」

そらるさんの人生がどうとか、
同性愛がどうとか、そんなの、言い訳だった。

ほんとはただ、ひたすらに、

「こわ、かった、、
裏切られるのが、すてられるのが、

どうしようもなく、ただ、こわかったんです···」

もう、嫌われたくない、すてられたくない、
嫌いだ、って言われるのが、すごく怖かった。

だから好きだ、って言葉も、
信じたくなかった、聞きたくなかった。

「うん、そっか···」

そらるさんは、変わらずに僕のことを真っ直ぐに見る。

その綺麗な瞳で、僕の汚れを、見ないで欲しかった。

「幻滅、したでしょう···?
ぼく、そらるさんのこと、信じてないみたいで、」

「それは違うよ、」

迷いのない言葉だった。
僕を見つめたまま、そらるさんは続ける。

「俺だって、嫌われるのは怖い。
だから、まふまふにされられるのは悲しかった。

けど、それ以外に、すきだから。
隣にいたいと思うから、

お前のこと、信じてるから、
だから、ずっと待つんだよ。」

そんなの、ずるいじゃないですか。

そう言おうと思ったけれど、
声は言葉とならずに嗚咽へと変わった。

そらるさん、そんなのずるいよ、
それでいいか、って思ってしまうじゃないか。

僕の悩み事、ちっぽけに思えてしまうじゃないか。

でも、それでも、

「いいかも、しれませんね、
そらるさんと、いっしょなら···」

せいいっぱい、涙で濡れた顔で笑ってみせる。

「僕も、そらるさんのこと、好きです、愛してます、
だから、ずっと離さないで、ね?」

そらるさんは一瞬驚いた顔をして、
それから、優しく微笑んでくれた。

「もちろん、嫌っていっても離してやんないから。」

ごくごく自然に、当たり前のように、
僕らの唇が、重なった。

もちろん、僕の体は唇から熱をもっていく。


僕は一生キミアレルギー、

あなただけに、そらるさんだけに、
ずっとドキドキしているから。

だから、ずっと、離さないで?

*Fin*


完結しました!(b`>▽<´)-bイエーイ☆゛←

文字数がやばいですね

8000超えましたよ←

だいぶ時間をかけてしまった気がします( ̄▽ ̄;)

ひとまず完結です!

最後の無理矢理感半端ないですが

まぁ満足したので良しとします。

ではまた次回作で!

カタツムリ


投稿を違反報告 / ブロック



コメントをするにはログインが必要です : ログイン


【完結】Love bonbon
2018/05/31 7:20:57 カタツムリ

時間軸的にも意味的にも遅刻です(ごめんなさい) 今回はちゃんとそらまふ。 ...


ユキモモ初納
2018/03/11 4:29:56 カタツムリ

「ねぇモモ、僕のどこか好き?」 「え」 お気に入りのワインをものすごく絵...


【完結】その温もりを来年も
2018/05/31 7:22:31 カタツムリ 1

お正月、初詣に行くそらまふのお話。 実際はLIVEをされていたので 事実捏造...



雑談 ともぼ 友達募集 バトン 募集 イラリク イラスト #新たな蓮の花を迎える日